フリーランスの所得のリアル
会社を辞めて、転職したいって思ったり、フリーランスになりたいって思う人も多いでしょう。
わたしが、フリーになったのは、別にフリーになりたくてなったわけではありません。話せば長くなるので、割愛しますが、気が付いたらフリーランスでしたね(笑)。
では、フリーランスになるとサラリーマンとどう違うのでしょうか?そのリアルを公開しようと思います。
なお、別記事で『フリーランスエンジニアは儲かるのか?』というのも書いてありますので、ご覧くださいませ。
フリーランスの所得のリアル
月の売上
月の売上というのは、サラリーマンのいう給与と似ていますが、社会保険料などは、自分で支払わないといけないし、厚生年金などもありません。金額に騙されてはいけません。わたしは、2020年12月現在月66万で契約しています。プラス、わたしは、事業者なので消費税もいただいております。
売上 | 660,000円 |
消費税 | 66,000円 |
合計 | 726,000円 |
月70万円超の収入、どうでしょうか?『すっごい、貰える!』と思う会社員もいるのではないでしょうか? もしかすると、『俺もフリーランスになろう』って思うかもしれませんね。
かつ、いろんな仕事サイトでは、案件も載っていて、わたしの66万という数字は小さいと思います。もっと単価の高い仕事もたくさんあります。わたしは、むしろ、”稼いでいない”事業者だと思います。皆さんが、優秀なら80万くらいはいけると思いますよ。
さて、このままサラリーマンの給与と比較するのはナンセンスです。さまざまな費用や社会保険料も考慮しなくてはいけません。
なお、消費税ですが、わたしは消費税納税事業者ではないので、消費税も収入になります。ただ、2023年よりインボイス制度が始まり、そのまま収入になる時代も終わる予定です。
支出
月70万超の売上があるのは、わかりましたが、これからどのような支出があるでしょうか。
エージェント費用 | 58,080円 |
まず、仕事を仲介してもらっているエージェントに手数料を支払わないといけないです。。エージェントがなくても独立はできますが、やっぱり一人では営業は難しいですし、しかも、単価交渉、契約代行もしてくれますし、損害賠償などのリスクも軽減できます。
また、偽装請負などのリスクもありますから、グループに所属することのメリットも大きいと思います。
そういう意味では、必要経費ですかね。8%が高いか低いかは個人の考え方次第ですかね。
なお、フリーランスの一番のメリット「必要経費」ですが、月当たりではなかなか計算できませんが、基本、フリーエンジニアの場合は、ほとんどないですね。帳簿上いろんな経費を上げていますが、実際は、交通費ぐらいですかね。今は在宅なので、交通費もゼロ円です。
税金
税金については、年単位の計算なので、昨年の確定申告の情報にしています。なので、だいたい12分の1にしてもらえればわかりやすいかと思います。
2019年実績 | 月当たり | |
所得税 | 235,422円 | 19,618.5円 |
住民税 | 259,800円 | 21,650円 |
税金でだいたい月当たりで4万くらいですかね。これは、サラリーマンの方も払っているので、公平ですよね。
社会保険料
社会保険料は、国民年金、国民健康保険、国民年金基金、小規模企業共済ですかね。国民年金基金はサラリーマンで言う、厚生年金みたいなものですが、全額自腹。小規模企業共済は、サラリーマンで言うと退職金積み立てみたいなものですかね。
2020年実績 | 月当たり | |
国民年金 | 192,000円 | 16,000円 |
国民健康保険 | 738,646円 | 61,553.8円 |
国民年金基金 | 793,849円 | 66,154円 |
小規模企業共済 | 840,000円 | 70,000円 |
念のため、申し上げておきますが「国民年金基金」と「小規模企業共済」の加入は任意ですし、しかも、掛け金も自由に調整できます。
わたしは、掛け金のほぼMAXまで支払っているので、非常に高額になっています。この両方についてはまた別の記事で紹介できればと思っています。
この2点については誤解なく。
本当は、月当たりの支払いはほとんどなく、ほぼ、どれも一括で支払っています。ですが、月当たりの手取りを計算するため、月当たり支出を算出しているだけです。
月当たりの手取り
さて、サラリーマンの方にとって、わかりやすくするため、月当たりの手取りを計算しようと思います。なお、当たり前ですが、ボーナスのようなものはありませんので、悪しからず。
収入 | 支出 | |
売上 | 726,000円 | |
エージェント費用 | 58,080円 | |
所得税 | 19,618.5円 | |
住民税 | 21,650円 | |
国民年金 | 16,000円 | |
国民健康保険 | 61,553.8円 | |
国民年金基金 | 66,154円 | |
小規模企業共済 | 70,000円 | |
合計 | 726,000円 | 313,056円 |
わたしは、国民年金基金、小希望企業共済をほぼMAXにしているので支出がかなり多いです。ですが、老後の生活を考えると今は我慢です。大企業並みとはいきませんが、それなりの老後には、それなりの支出が必要なので。
年金や健康保険について、労使折半のサラリーマンとは違うので全額負担はかなり重いのがわかるかと思います。
さて、総合計です
726,000 円 - 313,056円 = 412,944円
手取りをサラリーマン風に計算すると、412,944円ですかね?
いや、ちょっと待ってください。サラリーマンの方はボーナスがありますよね。このまま比較すると違うのかと。よって、仮にボーナスは2か月分が2回貰えるとしてみましょうか。年収を1/12にするのではなくて、ボーナス分+4か月を考慮すると、16か月で計算しないといけませんね。
726,000 円 × ( 12か月 ÷ 16か月 ) - 313,056円 = 231,444円
なんかガクッと減りましたね。ボーナスをもらえた場合で、月の手取りを計算すると、23万円くらいになっちゃいます。
サラリーマンの方の手取りと比較するために、計算していますが、ボーナスをもらえている方と、そうでない方で、おのおのの手取りと比較してもらえればと思います。
こう見るとどうでしょうか? みなさんもフリーランスになりたいと思いましたか?それともサラリーマンのままでよいと思いましたか?
何度も申し上げますが、「国民年金基金」と「小規模企業共済」は、私が勝手に高額にしているだけで、比較にならないと思うかもしれませんが、それはご参考ということでお許しください。
キャリアでいろいろ悩んでいらっしゃる方もいるでしょうから、フリーランスのリアルとして、収入と支出を公開しました。
参考にしていただければと思います。