SPYDを1年間積み立ててみた
高配当ETF、SPYDを昨年、2020年2月から積み立てを開始してみました。1年結果してどうなったか見てみたいと思います。
Contents
高配当株式ETF SPYD
SPYDとは?
まず、SPYDとは米国投資会社ステートストリート社が出している上場投資信託(ETF)です。
名称 | SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF |
ティッカー | SPYD |
設定日 | 2015年10月21日 |
ベンチマーク | S&P 500 High Dividend Index |
総経費率 | 0.07% |
分配頻度 | 四半期毎 |
アクティブファンドのように見えるのですが、厳密にはベンチマークに連動するファンドなのでインデックスファンドのようです。
そのため、経費率が「0.07%」とかなり低いものになっています。
SPYDの特徴は?
SPYDの特徴は、やぱっり高い配当を受けられる点です。
組み入れ銘柄 | 80 |
ファンドの配当利回り | 4.35% |
4%を超える利回り。これが一番の魅力ですよね。確かに税金で20%超取られますが、それでも余裕で3%を超える実利回り。非常に魅力ですよね。
ちなみに組み入れられる80銘柄は、各社の財務状況や成長率などを全く考慮せず、S&P500採用銘柄のうち配当利回りが高い上位80銘柄を機械的に取り入れるというカタチのようです。
SPYDに対する批判
高い利回りがあって素晴らしいじゃないか、と思うかもしれませんが、実際は、市場から評価されず、価格が下がった結果として、配当の利回りが上がり、SPYDに組み入れられてしまっている銘柄も多くありません。
年に2回リバランスを行っているようですが、直近で成長し、市場から評価された銘柄が外され、一方で、直近で価格が下落し、不人気となった銘柄が採用されるということも多く、不人気銘柄のファンドという言い方もできるかもしれない。
よって、それが不安で、SPYDに手を出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それでは、わたしが実際に定期購入してどうなったか見ていきたいと思います。
SPYDを1年間積み立ててみた
1年間の購入履歴
2020年2月から定期積立を開始しました。SBI証券ではETFの定期購入が可能なのでその設定を行いました。予算は月50,000円(2021年からは55,000円)です。実際は成り行きで注文するので、予算内でもう少し買えそうな状況でも、予算をかなり余らせた購入になってしまうようです。
約定日 | 口数 | 単価(USD) | 支払総額 |
2020/2/26 | 10 | 38.37USD | 42,591円 |
2020/3/26 | 16 | 23.88USD | 42,604円 |
2020/4/28 | 15 | 26.29USD | 42,621円 |
2020/5/27 | 14 | 27.68USD | 41,995円 |
2020/6/26 | 14 | 27.26USD | 41,204円 |
2020/7/28 | 14 | 28.40USD | 42,196円 |
2020/8/26 | 14 | 29.07USD | 43,655円 |
2020/9/28 | 1 | 26.56USD | (配当での買い増し) |
2020/9/28 | 15 | 26.56USD | 42,306円 |
2020/10/27 | 14 | 28.94USD | 42,772円 |
2020/11/26 | 12 | 33.47USD | 42,206円 |
2020/12/23 | 1 | 32.38USD | (配当での買い増し) |
2020/12/29 | 12 | 32.82USD | 41,183円 |
2020/12/29 | 1 | 32.82USD | (配当での買い増し) |
2021/1/26 | 13 | 34.21USD | 46,497円 |
2021/2/26 | 11 | 38.42USD | 45,226円 |
合計 | 177 | 557,056円 |
1年間積み立てて、13+3回(配当での買い増し)で合計16回購入しました。
合計で口数が177口、支払い金額:557,056円です。支払い金額には手数料+消費税も含まれていますので実際の購入コストになっています。
それでは2020年2月から2021年2月までに購入口数と単価の推移は以下のようになりました。
左のY軸がSPYDの価格(単価)になり、オレンジの線が購入履歴となります。
右のY軸がSPYDの購入口数になり、青色の線が、その購入履歴になります。
2020年2月積み立て開始。まず、38.37ドルで10口購入しました。ですが、そこからが地獄の始まり。そこからコロナショックで見る見るうちに価格は下がっていき、購入履歴では見えませんが、2020年3月23日には一時「20.79ドル」にまで下がりました。初回購入時の資産がほぼ1か月で45%超減。
もう、パニックでした。結果的には、大した損失額ではなかったのですが、当時は、「失敗した!」と嘆いていました。
次の2020年3月26日の買い付けでは単価が23.88ドルになっていて、16口も購入可能。この時から、「あれ?買い付けていけばこれ、儲かるのかもしれない?」って感じるようになりました。2回目の買い付け移行、SPYDの損益については、マイナスでも全然、気にしなくなりました。
ここから徐々に価格が回復していくのですが、実際の損益の履歴を見てみましょう。
年月 | 支払総額 | 評価額 | 損益(額) | 損益(%) |
2020/2/26 | 42,591 | 42,382 | -209 | -0.49% |
2020/3/26 | 85,195 | 68,892 | -16,303 | -19.14% |
2020/4/28 | 127,816 | 115,926 | -11,890 | -9.30% |
2020/5/27 | 169,811 | 164,171 | -5,640 | -3.32% |
2020/6/26 | 211,015 | 202,081 | -8,934 | -4.23% |
2020/7/28 | 253,211 | 248,935 | -4,276 | -1.69% |
2020/8/26 | 296,866 | 300,977 | 4,111 | 1.38% |
2020/9/28 | 339,172 | 317,138 | -22,034 | -6.50% |
2020/10/27 | 381,944 | 386,098 | 4,154 | 1.09% |
2020/11/26 | 424,150 | 486,488 | 62,338 | 14.70% |
2020/12/29 | 465,333 | 522,508 | 57,175 | 12.29% |
2021/1/26 | 511,830 | 590,807 | 78,977 | 15.43% |
2021/2/26 | 557,056 | 724,155 | 167,099 | 30.00% |
支払い金額と評価額をグラフにすると以下の通りです。
グラフの青い線が支払い金額で、オレンジの線が評価額になります。
つまり、オレンジの線が青色の線を下回れば、評価損、青色の線を上回れば、評価益となります。
1年間の振り返り
2月~10月
グラフにすると初月で40%くらい下落するという事態になっているにも関わらずグラフにするとわずかな損失に見えますね。
ただ、2月から10月までは、大きく損をしていませんが、損益はプラスではなく、ほとんどマイナス。
ただ、8月は株価が上昇したためか、わずかに一時的にプラスになっています。
11月~2月
しかし米国大統領選挙から流れが変わります。不安定要因が消えたこともあり、価格が上昇に転じます。
このトレンドは年をまたいでも変わらず。むしろ、年を越してから上昇ピッチが加速した感じすらします。
2月以降は、いわゆる、セクターローテーションで昨年急上昇していたグロース株からバリュー株へのシフトが起こっているようで、その影響が出遅れていたSPYDに出ているように思われます。
2021年2月末でだいたい30%程の評価益が出ています。
積立開始時期に抱いた不安はどこ吹く風。がっつり評価益が出ているのがわたしのSPYDの成績となっております。
1年間SPYDを積み立てて思ったこと
やっぱり投資というのは「長期で愚直に積み立てる」ということを痛感しました。
短期の価格変動で一喜一憂するのはやっぱり違うのではないかと思います。
SPYDはまだコロナショック前の価格をほぼ回復しました。ただ、もとに戻っただけで、その上値を超えてはいません。
だから、これから、ワクチンが普及して実体経済が回復してくると、まだ、価格が上昇する可能性があるのではないでしょうか。
いや、もしかしたら、また下落局面に入って、価格が下がっていくかもしれません。
ですが、短期的な価格変動には一喜一憂せずに、毎月定期的に購入していけば、配当利回りプラスキャピタルゲインも期待できるETFなのではないでしょうが。
それがわたしが1年間積み立てた感想でした。